ウォールハンドボール

ハンドボールというと、チームでゴールへとボールをシュートするオリンピック競技を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、アメリカやカナダで庶民に親しまれているハンドボールは、手でボールを打ち合う「ウォールハンドボール」なのです。

ルール

対戦者が交互に手でボールを前方の壁に打ち返す競技です。

片手でボールを打ちますが、どちらの手を使ってもOK。従って両手にグローブをします。
2人が互いに戦うシングルスと、2人1組で対戦するダブルスがあります。
ゲームは21点先取した方が勝ちで、正式な試合は2ゲームを戦います。
1勝1敗になったときは、11点のタイ・ブレークで決着をつけます。

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ボールとグローブ

コート

コートには、前壁だけのワン・ウォール・コートから、ツー・ウォール、スリー・ウォール、さらに四方を壁に囲まれたフォー・ウォール・コートまであります。フォー・ウォールでは天井も使い、直方体の全ての面を利用して競技します。
世界で一般的に競技されているのは、フォー・ウォール・コートで競技するウォールハンドボールです。アメリカなどでは、スリー・ウォールやワン・ウォールもフォー・ウォールと同じように普及しています。これは設備が簡単なこと、屋外コートも作れることによるもので、とくに学校スポーツとして普及しています。

歴史

手でボールを壁に打ち返して競技するゲームの起源は、古代ローマにまで遡ります。15世紀後半には、素手でボールを打つゲームがフランスやスペインを中心に盛んに行われるようになり、16世紀になってイギリスやアイルランドにも伝わりました。アイルランドでは、19世紀半ばには毎年選手権が行われるまでに普及し、今日のハンドボールの原型となっています。

19世紀末になるとアイルランドから移住した人たちがアメリカにハンドボールが持ち込みました。その後は、YMCAを中心に全米に爆発的に普及し、ゲームの形式も屋外ゲームとして前方の壁だけを使うワン・ウォールから、室内ゲームとして四方の壁を使うフォー・ウォールまで整えられ、やがて北米大陸全体に普及していきました。現在アメリカでは、2万5千のコートがあり、約500万の競技人口がいると言われています。また、プロ選手のツアーも行われています。アメリカ以外では、カナダ、メキシコ、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、アルゼンチンなどの国々で盛んに競技されています。

日本では、1927(昭和2)年、東京YMCAに専用コートが作られたのが始まりです。世界選手権にも第2回カナダ大会から選手を派遣し、第3回のオーストラリアでは、シニア・シングルスで2位になっています。しかし、日本全体に普及するに至りませんでした。この間、ウォール・ハンドボールから生まれたラケットボールが先に普及し、フォー・ウォール・コートが各地に作られました。
日本でのウォール・ハンドボールの普及と技術向上を目指して、1989年日本ウォール・ハンドボール協会が設立されました。

子どもたちが楽しむ様子

ウォールハンドボールの魅力

ウォールハンドボールは、ボールの動きの予測と壁を利用したボール・コントロールの技術があればできますので、体力のない人でもゲームができ、年齢や性別を問わず楽しめる生涯スポーツです。

最初は、壁打ちゲームから始め、子供からシニアまで手軽に楽しむことができますし、80歳以上のプレーヤーもいます。手でボールを打つ感覚はとても新鮮で、しかも利き手だけでなく両手を使うので、壁打ちだけでも運動神経が鍛えられるような気がします。2バウンドする前に打ち返さなくてはならないので、取り難いところにボールを落されるととても悔しいのです。コート内で相手に取り難いボールを打とうとすると、先を読間なくてはならず、頭もつかいますので、全身の運動機能が向上することはもちろんですが、頭脳スポーツでもあります。体力とテクニックの向上によってゲームの面白さが格段に上がりますので、一度体験するとハマってしまう方も多いのです。

まとめ

ボールを壁に当てて遊んだことから始まったと言われる史上最古のボール競技で、ボールが1つあればできる手軽なウォールハンドボール。体力だけでなく頭脳も使う生涯スポーツで、仲間と楽しく体を動かしてみませんか?

一般社団法人日本ウォールハンドボール協会 

一般社団法人日本ウォールハンドボール協会公式サイト
古くて新しいスポーツ「ウォール・ハンドボール」を紹介する日本ウォールハンドボール協会のオフィシャルサイトです。
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