これまで「もりもりスポーツキッズ」や「いろいろスポーツ教室」でブラインドサッカーを教えてくださった加藤健人選手と菊原伸郎先生の共著の本が出版されました。
目隠し遊びで始めるインクルーシブ教育
「インクルーシブ教育」とは、障がいの有無にかかわらず一緒に学ぶことです。
この言葉が注目されるようになったのは最近ですが、「いろいろスポーツ教室」ではこれまでにブラインドフットボールやゴールボール、車椅子バスケットボールなど、様々なパラリンピック・スポーツを何度も体験してきました。子どもたちにとっては、みんなで一緒に楽しめる競技・スポーツであり、大人が考えているような「障がい」として認識していないかもしれません。
文部科学省のインクルーシブ教育の推進報告
文部科学省の「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」には、下記のように記載されています。
障害者の権利に関する条約第24条によれば、「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1321668.htm
スポーツでできることはたくさんある!
「いろいろスポーツ教室」の中でやったブラインドフットボールの体験で、子どもたちは知らず知らずのうちに「インクルーシブ教育」を受けていたことになるわけですが、今までの日本の教育現場ではやってきていないことかもしれません。
私たちがやっているような多種目スポーツ体験で、できることはたくさんあると思います。
ゴールデンエイジ期の子どもは運動能力が一番伸びるのですから、幼稚園生や小学生のうちに、視覚を遮ったらどうなるか、どんな気持ちになるか、を体験することで、その感覚を忘れないで記憶することができます。
もし、足が動かなかったらどうなるか、腕だけで車椅子をコントロールしてボールも同時に使えるか、を体験することでさらに想像力が働き、耳が聞こえなかったら、腕が使えなかったら、と子どもたちは自分でどんどん深く考えてゆくことができます。
実際に、ブラインドフットボールを体験した後に、家族でスキーに行った小学生が
目の見えない人は、スキーできるのかな? どうやってやるんだろう?
と言ったそうです。ブラインドフットボールを体験していなければ、出てこなかった言葉です。
一緒にスポーツを楽しんだ経験があれば、障がいを超えて一緒に楽しむためにはどうしたらいいか、子どもたちは考えてゆくのだと思います。それが、共生社会を作ってゆく第一歩ではないでしょうか。
もりもりスポーツキッズの写真が掲載されました
菊原先生がブラインドフットボールをご指導に来てくださった時の写真が、この本の中に掲載されています。みんなで楽しくブラインドフットボールを体験した時の写真です。
今年も加藤健人選手と菊原伸郎先生に、ブラインドフットボールを教えてもらえますように!
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