「いろいろスポーツ教室」では、毎年パラリンピックスポーツを体験しています。コロナ禍で2年間は体験できませんでしたが、今年は「ブラインドフットボール」を親子で体験しました。
今回ご指導くださった加藤健人選手は、元日本代表選手で、今は埼玉T-Wingsというチームでブラインドサッカー選手として活躍しています。以前、こらぼ大森でやっていた「もりもりスポーツキッズ」でもご指導いただいていました。
加藤選手(カトケン)は、まず視覚障害者の感覚を話してくれたり、普段白杖を持って歩いていることを丁寧に説明してくれました。それと、ブラインドフットボールの音が鳴るボールもみんなに触らせてくださり、この音を頼りにボールを扱うことを教えてくれました。
見えないってどんな感じ?
2人組になり、1人がアイマスクをつけた状態で準備体操をしてみました。
カトケンさんがやっている体操を、見えている人がアイマスクをしている人に説明して教えるのですが、これが結構難しい!!言葉で説明するのが難しくて、思わず手が出てしまいます。それでも、どうにかして伝えようとする子どもたちの姿が印象的でした。
加藤選手のドリブル
ブラインドサッカー選手にとっては、なんでもないことでしょうけれども、やはりボコにもぶつからないでスラスラとドリブルをしている姿はすごいです。人の声を聞きながら、どこに人がいるか、障害物があるかを耳だけで判断してドリブルをするのです。
ボールはどこにある?
アイマスクに慣れてきたら、いよいよボールを使っていきます。
ブラインドフットボールは、中に鉛の球がいくつか入っているので、転がると音がします。選手たちは、その音を頼りにボールの位置やスピードを把握して、パスをしたりシュートをしたりしているのです。
ところが、転がってきたボールを足でキャッチするだけでも一苦労。なんとなく音がする方へ足を伸ばしてみても、うまくキャッチできません。周りの友達が声でサポートしながら、ボールの場所まで行き、ドリブルして運びます。
ボールは転がっていると音が鳴りますが、止まってしまうと音がしなくなってしまいます。ドリブルは、想像以上に難しいのです。
最後はシュート競争
最後に、5チームに分かれて、シュート競争をやりました。4分間に何回シュートが入るかを競います。
ゴールの位置がどこにあるか、その方向にしっかり向いているか、チームの連携が大事になってきます。言葉で伝えるときに、「そこ」「あっち」「ここ」と言っても伝わりません。自分にとっての右は、相手にとっての左です。相手の立場に立って、どのような情報があれば分かりやすいかを考えなくてはなりません。
ブラインドフットボールで学んだこと
最後に、感想を聞いてみました。
・見えないと、歩くだけでも怖かった。
・友達の声や言葉をよく聞くことが大事だと思った。
・言葉だけで伝えるのがすごく難しかった。
・楽しかったけど、難しかった。
・困っている白杖の人がいたら、声をかけようと思う。
一緒にブラインドフットボールを楽しみながらも、子どもたちはいろんなことを感じてくれたようでした。この体験を通して、「点字ブロックに物を置かない」とか「白杖の方がいるけど、大丈夫かな?」など、日々の生活の中で気づけるようになるだけで、心のバリアフリーは広がっていくと思います。
加藤選手は、最後にとても大切なことを教えてくださいました。
「白杖の人だからではなく、困っている方がいたら、声をかけてあげる優しさを持ってほしい。」
ブラインドフットボールを教えてくださった加藤健人選手、そして参加してくださった皆さん、お父様、お母様、ありがとうございました!
今年のいろいろスポーツ教室はおしまい。次回は年明け1月15日です。フライングディスクとウォールハンドボールをやります。
良いお年をお迎えください!
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