ブラインドフットボール体験会

今回のもりもりスポーツキッズは、ブラインドフットボール体験!
こらぼ大森で3回目となるブラインドフットボール体験は、去年に引き続き、親子での体験会にしました。

加藤健人選手と菊原伸郎コーチ

ブラインドフットボールの指導にいらして下さったのは、日本代表で活躍している加藤健人選手と、埼玉大学教育学部准教授でサッカー部監督の菊原伸郎コーチ。

加藤選手(左)と菊原コーチ(右)

加藤選手がドリブルをやってくださいました。まるで見えているかのようなスムーズなドリブルでびっくり。1年生の中には、加藤選手は目が見えていると思っている子もいました。

目が見えない人に伝える難しさ

まずは準備運動をします。
2人組になり、1人がアイマスクをして、もう1人がどんな体操をやるのか、先生が実際にやっている動きを言葉だけで伝えます。

言葉だけで伝えるのが難しく、つい触ってしまいます

言葉だけではなかなか伝わらず、思わず手を使って教えてしまいます。目が見えないと、体操のやり方を伝えることだけでも一苦労。

膝に両手を当てて、ぐるぐる回す、で伝わるかな?

顔が見えない自己紹介

次に、5人グループに分かれて、全員アイマスクをつけて自己紹介。顔も名札も見えません。声を聴き分けて、名前を覚えます。どこら辺にいるのかも、声を出したり、触ったりしないとわかりません。

全員アイマスクをしたまま、自己紹介をする

見えない感覚を味わってみると、音をよ~~~く聞きわけることや、触った感覚を研ぎ澄まさなければ、怖くて動くこともできません。

見えないってちょっと不安になる

仲間を信じるしかない!

今度は、チームが一列になって、ボールを仲間に手渡します。左右に交互に手渡したり、上下を入れ替えたりして、どのチームが一番早いか競争しました。

https://youtu.be/r7zh6brdmVo

速く回すコツは、声を出したり、音を出したりすること。
自己紹介教えてもらった名前を呼んだり、ボールを振って音を出したり、「はいっ‼」って声を出したり、ボールがどこにあるのか、一番前までボールが戻ったのか、とにかくコミュニケーションをとらなければ、どんな状態なのか誰にも伝わりません。

次に、ボールをゴールに向かって蹴ってみました。
まず、手でゴールの方向を指して、合っているかどうか仲間に確認してから、ボールを蹴ります。まっすぐ蹴っているつもりでも、ちょっと曲がっちゃったり、ボールの真ん中を蹴れなかったり。意外と難しいです。

それに加えて、相手に伝わる声の大きさや言葉の遣い方が求められます。「そこにある」と言われても、どこかわかりませんし、「あっち」と言われてもどっちの方向だか分かりません。相手の気持ちを想像して言葉を選んで話すことが、とても大事です。

ボールの場所まで行ってから蹴る

次は、ボールのあるところまで行ってからボールをける練習。
仲間が誘導してくれる言葉だけが頼りです。見えないって、本当に大変! 普段、私たち健常者が何気なくやっていることでも、目が見えない人にとっては大変なことなんですね。子どもたちの中で、人を思いやる気持ちが少しずつ芽生えてきたように見えました。

↑思わず、アイマスクをチラッと外してボールの位置を確認してしまいました。

一度、ボールの位置がわからなくなると大変! なかなかボールを蹴ることができません。探しているうちに、方向もわからなくなっちゃって、どっちがゴールなのかわからず、全然違う方へ蹴ってしまいます。

遠くのゴールへキック!

最後は、遠くにあるゴールへキックしてみました。近いゴールと遠いゴールでは、難しさが全然違います。仲間の声を頼りに、どっちにゴールがあるかを判断し、真っすぐ蹴ります。簡単そうに見えて、これが意外と難しい!!

仲間の手拍子や声を聴いて、ゴールの場所を指さし確認。それから思い切りシュートします。

ゴールの場所を教えてあげる人がとても重要なんですね。

残念!はずれちゃった!
このゲームは、盛り上がりました。シュートする人だけじゃなくて、ゴールの場所を伝える人がとても大切だということに気づきました。

ゴールの方向をしっかり確認してから、ボールを押し出すと、ちゃんとゴールに入りました。入った時の喜びはひとしおです。菊原コーチが、一緒に喜んでくれました。

ブラインドフットボール体験で学んだこと

いつもおしゃべりが大好きな子どもたちですが、加藤選手のお話を聞くときは、自然と静かになっていました。誰かがしゃべっていると、目に代わる大事な情報が聴こえなくなってしまうことが、ブラインドフットボールを体験したことで、自然と理解できたようです。

子どもたちから加藤選手へ、いろいろな質問がありました。

  • ブラインドフットボールでできないプレーは?
    →空中にボールがある間は、音が鳴らないので、ヘディングとか胸でのトラップは基本的にできないです。
  • 目の見えない人は、テレビゲームできるの?
    →ゲームの内容によっては、やっている人もいます。パチンコもやっている人いますよ!
  • 毎年、教えてきてくれるの?
    →3年連続でこらぼ大森に来ているので、みんながまたブラインドフットボールをやりたいと思ってくれれば、来年も来ますよ!

試合ができるほどになるにはまだまだ練習が必要だけど、楽しみながら「目が見えない」感覚を体験することができました。周りの人の助けや耳からの情報がとても大事で、相手を信じられなければ一歩も動けないことがよく分かりました。

加藤選手は、「この経験を活かして、もし困っている人を見かけたら、声をかけてあげて、助けて下さいね」とおっしゃっていました。

加藤健人選手、菊原伸郎コーチ、
ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました